オナホキングダム 「TENGA SPINNER」 レビュー その2

祝! オナホキングダム第100回!! おかげさまで連載100回を迎えることができました。ここまでこられたのはいつもご覧いただいている読者さまのおかげです。100回にとどまらず、連載1000回、10000回目指して! シコってがんばります。今後ともよろしくお願いいたします。m(_ _)m

TENGA SPINNER(スピナー)シリーズとヨーヨー。 競技ヨーヨーのプレイヤーをスピナーといいます。オナホキングダムはこれからも回り続けます。

TENGA SPINNER(スピナー)シリーズのパッケージには、快感と同時に業界とユーザーに向けて大きなメッセージが詰め込まれているように感じました。

発想の起点はおそらく「TENGA MOOVA(ムーバ)」です。動力なしでオナホールが勝手にねじれる、このモデルは新しい可能性を感じたものでした。 「TENGA MOOVA(ムーバ)」をさらに安全で気持ちよく、衛生的かつ「生活に馴染む」形状に進化させたのが「TENGA SPINNER(スピナー)」と分析します。

TENGA SPINNER(スピナー)シリーズはオナホール市場的にエントリー価格帯で、ギュギュッとねじれるスピンギミック搭載という満足度の高い仕様でした。さらに「洗って何度も使える!」ではなく、洗って何度も使いやすく、使いたくなるように配慮された保管ケース等、まさにこれからのオナニー観に込めたメッセージといいますか、快感以上に次世代のオナニートレンドはかくあるべきと、打ち出したモデルとちんちんが訴えてきました。

往年のオナホールパッケージがエロいのは、イメージを繋げる以上にその場でムラムラきて購買意欲をあおるっていう効果が大きいでしょう。イラスト入りのパッケージはオナホールの華ですし、エロい進化を続けるばかりです。

そこいくとTENGA SPINNER(スピナー)シリーズは見た目がまったくエロくないです。例えばスポーツ用品売り場に置いてあっても、自然に馴染むでしょう。

このとおり、「TENGA SPINNER(スピナー)」を化粧台に整髪料と並べてもまったく違和感がありませんし、家族もそれがエログッズだとは誰も気付きませんでした。 「生活に自然に溶け込むオナニー」。これがTENGA社のメッセージなのだと推測しました。

唐突ですが成人でオナニーをなさっていない方はほとんどいないでしょう。彼氏彼女がいてもオナニーの快感は別腹です。そして多くの方が脳を刺激するエロいオカズを眺めながら、自分の手指でシコったりいじったり、というスタンスでオナニーだと推測します。

オナニーは基本的にオナホールやローター等、アダルトグッズを用いると新しい世界が広がります。もちろん手指も悪くはないのですが、アダルトグッズを用いると快感に幅が出ます。アダルトグッズを併用したオナニーは刷り込まれたように一辺倒なエンターテインメントから、遊園地のように華のある、毎回に新しさを感じる新鮮な行為に化けます。

しかし、オナニーにアダルトグッズを用いるとなると、決して見せつけるものではないにしても、どうしても一般的には昭和のような、淫靡でどこかミステリアスでアンダーグラウンドな印象、というイメージが抜けきっていないところも散見します。今のアダルトトレンドはメーカーや販売店の工夫もあり、カジュアルかつポップでオシャレにエロを楽しめるよう、創意工夫が全力で凝らされているのですが、まだ生活の中にありながら“生活に馴染む”一線を超えきれてないのが現実です。

「Hot Octopuss PULSE3(ホットオクトパス パルス3 ソロ)」なんかは見た目がまったくエロくないけど、価格の割にどうしても高性能ローター感が拭えませんでした。

「エロから切り離した、オシャレなアダルトグッズを」という発想は、特に海外のアダルトグッズに多いコンセプトなのですが、見た目がおしゃれでエロを感じさせない反面、いざ快感をもたらす機能に物足りなさを感じるモデルも少なくありません。そこいくとTENGA SPINNER(スピナー)シリーズは「生活に馴染む」デザインと使用感、アダルトグッズが生活に根ざした「自然」を体現したのではないかと感じました。

オナニーは、特に男性の場合、食事や睡眠と並んでの生理行動だと捉えます。食についてはより美味しい食材の研究に、デザイナブルな食器や演出の開発と文化を超えた歴史ですし、睡眠についてもより深い安眠を目指したグッズやツールも、今日ではたくさんリリースされています。

それでは性衝動、オナニーはどうかというと、男性の場合は手指や床等、身近な要素で済ませてしまうことも多いです。TENGAの今年に入ってからのグッズを通したアプローチには、原始を留めたオナニー観に、生活・文化に溶け込ませる演出をもって、次のステップへの道標を立てているのではないでしょうか。

「TENGA フリップゼロ ソフトエディション」「TENGA フリップゼロ エレクトロニック バイブレーション」。 このあたりになると見た目、快感ともに次世代を強く感じました。でも近未来というより、完全に未来シコシコガジェットでした。

今年に入ってリリースの続いているTENGAからはエロさではなく、スタイリッシュなデザイン、どこかで見かけたような「そこいらにあっても不自然ではない」デザインばかりです。要は、客観的に従前のアダルトグッズのような目で見られない、ということです。

「TENGA SPINNER 01 TETRA(テトラ)」「TENGA SPINNER 02 HEXA(ヘキサ)」「TENGA SPINNER 03 SHELL(シェル)」。 シリーズすべて揃えても5000円くらいです。もちろん洗浄を繰り返すことで快感が増していくオナホール特有の「覚醒」効果も確認できました。

2000円前後の価格帯としては大満足の使用感「GRAND WAVE(グランウェーブ)」。TENGA SPINNER(スピナー)シリーズと並行して、従前のオナホールにハメるとどこかホッとするのは、脳がそう記憶しているからでしょう。

もちろん従前のオナホールには、それならではのエロくてヌルヌルな快感があります。 RIDEJAPAN、Magic Eyesをはじめ、モデルやイラストで衝動的に入手するのではなく、メーカーやブランドでオナホールを選べる時代になりました。だからTENGA SPINNER(スピナー)シリーズに縛る必要はまったくないと思います。あくまでアダルトライフ、セルフプレジャーの選択肢として、「TENGA SPINNER(スピナー)」という商品を通して、セルフプレジャー新時代の幕開け、新しい次元と可能性が、誰にでもわかる形で示されたと、オナホキングダムでは考えました。

というわけでオナホキングダム第100回では「TENGA SPINNER(スピナー)」を通して生活に浸透していくセルフプレジャーについて考えてみました。

オナニーについて人前で大々的に語ることはなくても、自然と安全なツールやグッズを用いたオナニーが浸透していく、そんな世界に近づいたらいいなぁと願うばかりです。これからのオナニーがますます楽しみになります! 今後とも【オナホキングダム】よろしくお願いします。